【ヘンテコなヒラメ?】ガンゾウビラメ食べてみた

こんにちは!夢海です🐟️

今回の記事はあまり出回らない、少し変わった平たいお魚になります!

 

 

ガンゾウビラメの形態

今回の主役はガンゾウビラメといったお魚。

 

産地は千葉県千倉のもの。価格は1枚あたり¥150ほどと驚きの破格です。

 

名前の通り、ヒラメの仲間(ヒラメ科)になります。

左ヒラメ右カレイといった言葉は有名ですが、このガンゾウビラメは左向き。

 

そしてカレイとヒラメの違いは口の大きさと言います。

砂の中の小さな獲物を食べるカレイに対してヒラメは小魚に食らいつきます。そのためカレイはおちょぼ口でヒラメは大きな口が備わっています。

このガンゾウビラメはちょうどその中間くらいの開き具合。ヒラメのような口の付き方をしていますが、シャープな顔つきのヒラメに比べて体の前の方までふっくら体系のガンゾウビラメは口の開きが制限されているように思えます。

 

安かったのもありこちらを3枚購入。

過去にも似た種類のテンジクガレイという魚を食べたことがありますが、このガンゾウビラメは初めてとなります。

写真では伝わりにくいと思い撮影しておりませんが、非常に薄っぺらいです。

最も厚いところで3センチほど。しかし今回はこちらを余すことなく食べ尽くしてみます!

 

ガンゾウビラメの調理法

ガンゾウビラメは鮮度の落ちが早いため急速な処理が必要です。

漁獲法は刺し網などが多く、打ち身をしていたり擦れていて身が弱っている事が多いです。

 

△内出血を起こし部分的に赤くなっています。

 

今回煮付け、干物、お刺身などで頂きます。

お刺身にはこの打ち身の少ない、血の回っていないものかつ触って張りのあるものを使います。

 

ガンゾウビラメには丸い細かな鱗があります。

裏側の白い方には無いと思っている方が意外といるのですが、両面にしっかりと付いています。

しかも小さくて落としにくいのでなかなか厄介です。

内臓も弱り易いので力加減に気をつけないと

内臓が溶けていたこともあり、この様に破れてしまいます。

このように兎に角鮮度がいいうちに素早い処理が求められます。

 

鱗と汚れ、内臓が取れたら調理法に合わせて仕込んでいきます。

まずは干物から。頭を落とし、内臓を洗って皮を引っ張ります。

するとツルンと綺麗に剥くことが出来ます。

 

こちらを塩水に漬け込んでから冷蔵庫の冷風に当てて一晩干します。

 

表面がしっとりと固くなりだしたくらいが食べ頃。これを焦げないように焼けば一品完成です。

 

続いては煮付け。薄っぺらい魚ですが、切り身にすると食用には丁度いいサイズに思えるのは気のせいでしょうか。

 

姿ではなくぶつ切りにして煮込みます。

卵や肝はなかったので素直に身だけで楽しみます。

 

続いてはカレイの定番メニュー、骨煎餅。

お寿司屋さんにあるとつい頼んでしまいます。

こちらはとっても簡単。鰭周りの汚れもしっかり落としてから三枚に開き、骨に塩胡椒・片栗粉を振って揚げるだけ!

カレイを捌いた時に捨ててませんか?一度試して頂きたいです。

こんな簡単に美味しいおつまみが一品出来るとなるとこれからは骨の見方も変わると思います。

 

 

ガンゾウビラメの料理

ガンゾウビラメの一夜干し

冷蔵庫で一晩冷風に当てたものです。

 

ちょうど食べ頃といった干し加減で身離れがとてもよく食べやすいです。

 

薄っぺらい魚ではありますが、食材として食卓にあがると、1人で食べるには少し多いほどの食べ応えのある量になります。

表面はカリカリ、中はふわっと広がり旨味を破裂ささてきます。

口いっぱいに広がる旨味が薄れてくると、また次の一口、もう一口と食べる手が止まりません。

 

味わいの薄い魚こそ、塩で締めてみたり干物にするとその真価を発揮します。

レモンを搾るもよし、醤油を垂らしてもよしですが、味付けは抜群。魚そのものの旨味もグンと引き立たせているのでこのままでも存分に楽しめます。

 

ガンゾウビラメの刺身

もちもちとした半透明の柵を今回はやや厚切りに。

ヒラメ類はどうしても血合いが黒っぽくなり易いので、見た目はそれ程良くありません。

これを塩とレモンで頂きます。

 

△箸で摘まむだけで伝わるもっちり感。写真でも伝わってきそうです。

 

爽やかな塩レモンの香りが鼻を駆け抜けてからガンゾウビラメが追いかけてきます。

もっちり感を楽しみつつ噛むごとに旨味が奥から奥から、続々とやってきます。

この旨味の溢れてくる様子は仲間ではないものの、ヒラメの名に恥じないほどそっくりです。

カレイは薄く、ヒラメはやや厚切りで頂くのが美味しい食べ方だと思います。

そして柑橘系で風味付けてあげるとより美味しく。

ヒラメのほんわかとした旨味が柑橘を加える事でビシッとまとまります。

 

ガンゾウビラメの骨煎餅

残ったあらをカリカリに二度上げした骨煎餅に。

 

揚げ物をメニューに入れなくとも、骨さえあれば食卓が彩ります。

これが鰭から背骨まで全てバリバリと食べることが出来ます。

味付けも調理法もとてもシンプルではありますが、この素朴さが良くおつまみにもなり食べる手を止められなくなります。

 

ガンゾウビラメの煮付け

これが一番意外な美味さでした。

身の質から煮物やそのまま焼けばパサついてしまうと思っていました。が、そんな事はなく味付けを薄めに、水を少し多くして炊いてやるとふっくらと仕上がりました。

 

皮がぼろぼろしてしまいましたが、肉の隙間からサラサラとした煮汁がしっかり染み込んでいます。

こちらもまた肉の離れがよく骨を避けて食べやすいです。ふっくらとした身を噛めば旨味がしっかり感じられます。

そしてエンガワにも味が染み込んでほぐれては弾けます。子持ちならカレイに匹敵する程美味しい煮付けです。

 

 

ガンゾウビラメの評価

価格   ・・・・☆

コスパ  ・・☆☆☆

珍しさ  ・・☆☆☆

味わい  ・・☆☆☆

 

破格的な安さです。

獲れても地元で消費されさらには価値も高くないので〆などの処理がされず、しかも鮮度がものを言う魚なので出回れば比較的安価です。

選ぶのであれば新鮮なもの、鰓の色だったり張りを見て選びましょう。

魚そのものか薄いので肉の部位で考えると歩留まりはあまりよくありません。

しかし骨も揚げることや出汁にも使えるので活用してみて下さい。

珍しいというよりは流通にあまり乗らないといった方が考え方としては妥当です。

どうしても食べたい!という方は見たときに買った方がいいでしょう。

味わいは無難な美味さ。

ガンゾウビラメしか持っていない魅力があるかと言えば、特別突出したものはありませんが、魚として美味しいの基準は越えていると思います。

 

今回はお買い得なヒラメのような魚、ガンゾウビラメを紹介しました!

魚屋さんに並ぶとどうしても霞んでしまう存在です。ヒラメと隣り合わせで置いてあれば多くの人はヒラメを見るかと思います。

特別絶品!という訳ではありませんが、一見地味な目立たない魚に意外な出会いがあります。

見かけた際には是非どうぞ。

 

本記事は、サテライトライターさんの記事になります。

ライター紹介

サテライトライター:夢海
未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで400種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記

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