今季初ブリは11月末の北海道産

こんにちは、夢海です🐟️

やや出遅れた11月最終週のある日。

ようやく今季初のブリとご対面。どこかしらのタイミングで半身、少なくともひと冊は欲しいな、なんて考えていたところでした。

今回の個体は卸してもらった身を購入したので全長の計測は出来ず。

1/4で2.7kgであったため、元の大きさで12.4kgの魚体である事が分かります。

これの背側を買い求めてきました。

観光地で有名な小樽のすぐ近く、北海道古平沖で揚がったものです。

やっと日本海側でチラホラ揚がるようになってきたタイミングで、この時期にもまだ北海道で漁獲されているという点に、今年の高水温の影響か水産物全般の水揚げ時期や旬、養殖ものに至ってもマガキが遅れたりと、一カ月ほどの遅れを感じていたところでした。

さすがは大型魚、1/4になっても重量感と身の厚さが感じ取れ、さらには背のシモにまで脂が感じられます。

寿司用に柵取りや切身カットを行い、初日はこれを鍋で頂くこととします。

ブリの料理

ブリとマガキの味噌鍋

まず一品目は味噌鍋に。

生食出来るむき身の兵庫県産マガキを買い求め、野菜と合わせてグツグツ煮込む。

仕上げに味噌を溶き仕上がりです。

今季初のブリは鍋からという贅沢。

脂が全体に回っているので、ジューシーさがあり厚切りであっても柔らかい。

このまったり来る甘みに香りはブリ属の中でも本種にしか出せない濃厚で深い旨味で、鼻を抜けていく脂の香りも火を通す事でしつこさが軽減。心地いい香りとなります。

皮が分厚く、皮下脂肪で白いうっすらした層が見て分かるほどの脂のり。

旨味の元を辿るとこの層からがやはり一番強く感じ取れます。

手っ取り早く温まれると思い味噌にしたものの、割下でも塩でもこのブリであれば味付けはどれだって構わないでしょう。

牡蠣は今季初ではないものの、鍋という食べ方は今季初めて。

1年牡蠣なので一口サイズでパクパク食べられてしまい、食べ過ぎるという意味で危険な美味しさ。

ブリと牡蠣という相性抜群の鍋は、たった2食で完食してしまいましたとさ。

ブリの握り

正真正銘天然ブリの握りなんて思えばかなり久しいのでは。とふと考える。

近年、寿司チェーンなどで冬季に「寒ぶり」を謳いハマチを提供してくる事が多いように感じられ、念の為調査で頼むがまたハマチだったか。となる事は多い。

とすると前回自分で握ったもが最後。

桜ぶりという春先に流通するものを握った覚えはあるものの、4.5キロほどのワラササイズであることを考えれば1年半以上は食べていないでしょう。

久しぶりの秋ブリの握りに思わず緊張が高まります。

しっとり優しい口当たりで「久しぶりだね」と声をかけてくれた感覚があり、その直後にぐんぐんと味の強さが増していきます。

不思議な事にブリの旨味はどうも口に入れた途端ではなく、後からじんわり感じられるという気がする。

次第に形が崩れていき、気がつけばシャリと溶け合い消えている。なんて事が起こります。

寒ブリはあまりの味の濃さに圧倒され、すぐにおかわり!と言える元気まで奪われてしまいますが、北海道のブリはまだ脂が控えめなのでもう1、2貫は摘めそうです。

ブリステーキ

ムニエル用に作ったすりおろした玉ねぎとニンニク、生姜などを合わせ甘辛く煮付けたソースが余っていたのでステーキ風に。

ブリは薄く塩と胡椒を振って少し寝かせる。

ゴマ油でソテーをするだけという簡単調理です。

好きな味付けにするならばソースも自作で、当然市販のものでも構いません。

ブリの力強さに馴染むには強いソースでないとソースが素材に負かされます。

大海を泳ぎ渡るブリの旨味はそれほど強烈で、とにかくご飯がすすむ。

大型の個体の板が大きい頭に近いところを大切りにして焼いた事もあり、1ポンドのステーキに匹敵するんじゃないかと思えるほど

表面は脂が落ちカリッと硬く、内側に閉じこもった肉汁が焼きめの層をその肉の繊維のすき間すき間に魚に合う生姜入りソースが入り込み、ブリの臭みを抑えて食べやすくしてくれます。

脂身あり、旨味十分。

高級和牛のステーキも良いものですが、冬はブリステーキもまたおすすめ。

季節を味わえるご馳走になること間違いなしでしょう。

ブリの評価

価格   ・・☆☆☆

コスパ  ・・☆☆☆

珍しさ  ・・・・☆

味わい  ☆☆☆☆☆

 

価格

・北海道産は近年安価傾向にあると思われる。今回の個体も買い求めやすい価格帯であった。南下の時期が一ヶ月前後遅れていることを考えると、やはり北の魚への影響が心配になる気候だが、そんな中でもブリは数少ない恩恵のひとつであると考える。

 

コスパ

・市場では丸や半身などの単位で買い求めることが出来るが、一般には切身で買うことが多い。そのためコスパはあまり考えない。ブランドものの寒ブリは高いが、それ以外のものであれば買い求めやすい。1食のおかずのひと品と考えればやや割高だと思えてくるが、年に一度味わう季節の味覚として見ればそれだけの価値はある筈だ。

 

珍しさ

・時期になるとどこでも買える。市場はもちろん、水揚げが多いと小売店でも普通に見られるのは大衆魚だからだ。近年は養殖ハマチも"寒ぶり"と名付けるところも多いので、天然物を購入したい際にはラベルをよく確認したい。

 

・ブリ、並びに若魚のイナダやワラサ等、全国各地で水揚げが毎日のようにあり、大きさもまちまちであるため身の質はよくチェックしておきたい。晩夏頃から北海道で揚がりはじめ、次第に日本海を南下してくる。この時期のブリは寒ブリと呼ばれる個体ほど脂は乗っておらず、食べやすさがある。脂が程よく回っているので焼いても締まらず、調理法は色々思い浮かんでくるので、1/4もあっという間に使い切ってしまう。

 

少し出遅れた11月末のブリを堪能しました。

10kgを超える魚体は久しぶりであったため、やっぱり大型の個体は美味すぎる!と、若魚との味覚の違いを改めて認知しました。

時間が許す限り、次回は半身又は丸で購入して計測も行いたいところです。

 

ライター紹介

副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記

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