最盛期に食べるシマアジは間違いナシ
こんにちは、夢海です🐟
立ち止まってるだけでも汗が噴き出すほど蒸し暑い風のない7月の第4週。
始発の電車に乗り、暫く食べていなかったというのに加え、仕事でも必要になっていた目当ての魚を買い求めるため豊洲へ向かいました。
目次
シマアジの特徴
ということで市場を歩き回り1時間。
全く見当たらなかったものの、サイズも価格もピンキリ、おまけに産地も津々浦々着ており、優先順位を付けながら行ったり来たりしました。
そんな中選んだのはこちらの個体。
大分産の0.66キロサイズ。価格もキロ¥3300と、ものを見れば値段以上に価値のあるシマアジに出会えました。
この日最初に見たシマアジが2キロ超え、産地は分かりませんでしたが、仕立てから伊豆諸島方面と予想。
貼られていた札にはキロ¥8000と、1尾で2万円掛からないかな、といったくらいのもので、今日の相場は高いのか。なんて焦りを感じていました。
しかしシマアジの漁獲量の多い7月。
1キロサイズもあれば千葉県産200〜300グラムほどの手のひらサイズのものまで現れてきて、価格・物・産地を総合的に考えた結果が今回の個体になりました。
大分産とまでしか分からず、箱の仕立ても入れ替えられている様子で細かな産地まで断定出来ませんでした。
しかし神経抜きまで施され、輝きのある魚体から大分豊後のものだろうと予測。
愛海の恵みという青い札が特徴の浜のものではないかという所で考えるのを止め、バタバタと予定が立て込んでいた為買ったままのガジェットに2日間放置していたものを恐る恐る開封。
しかし輝きは買ったときのままで残っており、丁寧に処理されたものはやはり日持ちします。
天然の個体は尾鰭がシュッと長く、丸みのある可愛らしい養殖の個体に比べてカッコ良さがあります。
卸してみると脂がまわり、食感と旨味を堪能するにはちょうどいいんじゃないかといったところ。
こちらをさっさと切りつけて晩ご飯にしていきましょう。
シマアジの料理
天然シマアジのお造り
まずはお造りから。
とある方の影響ですっかり盛ることにハマり、あしらいは常に何かしら置いておくようになった程。
シマアジは血合いが鮮やかな赤色なのに対し、白身は濁らず半透明。
おまけに皮目に銀色の皮が残り非常にきれいな見た目をしています。
しっとりとしたなめらかな舌触りの表面。
そしてぶわっと口いっぱいに広がる甘みに、アジ科らしい脂が感じられますが、単に濃い・強いだけでない控えめで上品な旨味があります。
スッキリしていながら味があり、同じく上品な味わいのヒラマサと比べ水分量が少なく、味がぼやけず舌へ真っ直ぐに伝わってくるのがシマアジの美味しいポイントでしょうか。
養殖ものであれば、ここにまったりとした重みがあり、美味しいものの量をそれほど食べられません。
天然シマアジの西京焼き
本当にいい店でしか食べられないような贅沢品。
単に焼いても味があるアジの仲間ですが、中でも上品な旨味のシマアジは西京漬けに合うのではないだろうかと思いつき作ってみました。
刺身にしたうち、残った腹側の一節を丸っと漬け込みました。
味の繊細なシマアジは味噌の味に負けてしまうんではないかとも思いましたが、やはりアジ科。
負けるどころか、西京味噌の芳醇な香りをまとい、しっとり、柔らかく美味くなりました。
程よく締まった身がほぐれると繊維の隙間から溢れ、口いっぱいに広がります。そのくせ、しつこさは無いためこれがバクバク食べられてしまう。
金額を考えると恐ろしいほど高価なひと時となるでしょう。
ご飯のお供よりも酒の友のような一品でした。
パリッと焼き上がりそうな皮も引いて柵取りしてしまったあとなので、少々もったいない事をしてしまったとも思いつつ、それでもやっぱりうまいうまいと、キンキンに冷やしたレモンサワーで喉を潤しながらあっという間に食べきってしまいました。
天然シマアジとぜんな貝の味噌汁
頭や背骨などのアラで取った出汁をひと晩寝かせ、
翌日にぜんな貝(稚ハマグリ)を投入して味噌汁に仕立ててみました。
カマは焼きや煮付けにするには小さいため、出汁を取り、身は汁でほじくりながら楽しむという食べ方にしてみました。
シマアジの雑味のない透き通った出汁に、ぜんな貝の旨味が溶け込み、上品さと旨さの調和が取れた究極の汁になりました。
しかしカマの肉を食べてしまうと、食感・香りなどの足並みが崩れてしまうようにも感じる為、ダシは合わせ具材はどちらか1種に絞ったほうが良いかも知れません。
天然シマアジの特徴
価格 ・☆☆☆☆
コスパ ・・☆☆☆
珍しさ ・・・☆☆
味わい ☆☆☆☆☆
価格
・一般的な養殖魚の中でも高い。天然物は高価。大きくなるほど高くなる。
コスパ
・歩留りは悪くなく一般的。あらも活用出来るというよりも使わないと勿体ない。
珍しさ
・一般的。養殖ものであれば日頃から見かける。天然は夏に多く、見ない時は滅多に入らない。
味わい
・アジ科特有の旨味に加え、控えめでじんわり伝わる甘味のある脂、コリッとほどよい食感に至るまで美味しい要素が詰まっている。加熱しても繊細さは崩れず、身も程よく締まり食感と香りの相性がよい。
今回は天然シマアジを購入し食べてみました。
シマアジは好きで寿司屋でもよく頼みますが、やはり多いのは養殖もの。
当然、養殖であっても大変美味しいことに変わりはないのですが、スッキリした後味は天然物に軍配が上がります。
そして以前より気になっていた西京焼き。今回はこれが作れたことに大変満足しており、繊細さ、アジ科のうまさ、味噌の旨味の3点が見事にマッチしてくれました。
また機会があれば…
いや、今回よりもデカイ2万円相当のものを…
誰か養ってください。
副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記
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