初夏のワカシは思い出の味
こんにちは、夢海です🐟️
ほぼ毎日のように市場へ通い色々と買い漁っている私ですが、今回の魚は熱海から直送で取り寄せました。
というのも、市場へは色々と魚がやってくるものの、産地で消費されるもの。サイズの小さいものや、まとまった漁獲のないものなど、なかなか中央卸市場では見ないようなものもあります。
そういったものも定期的に取っておきたいと考える私は、津々浦々全国各地より定期的に鮮魚セットを取り寄せています。
今回やってきた熱海の魚は5種。
時化の最中でどれも普段よく見かける普通種ではあったものの、嬉しいゲストばかりでした。
目次
ワカシの特徴
その中から今回ピックアップするのはワカシ。
言わずと知れたブリの若魚になります。
イナダ以上のサイズのものであれば市場で見ない日はないんじゃないかという流通量、漁獲量のある魚ですが、ワカシサイズとなると滅多に見かけません。
初夏のワカシは無限に食べていたい程のうまさがあり、こういった魚こそ産地へ訪れるか、取り寄せるかでやっと手に入るマイナーで美味な魚です。
サイズは小ぶりではあるものの、体高があり張りもある。
場所にもよりますが、水揚げの翌日に確実に手元へやってくるもの産地から取り寄せる醍醐味のひとつです。
これを届いた当日のうちにおろしていただきます。
身は肌色でしっとりと指先に脂を感じます。
早めに内臓の処理をしてあげなければ腹回りの肉が溶けてしまうため、入手した際はなるべく早い下処理をおすすめします。
ワカシの料理
ワカシの握り
皮を引き単に握りにしたもの。
煮切り醤油を塗り、そのままいただきます。
この柔らかさ、そして若々しさを感じる香りはこのサイズのものでなければ味わえないものです。
臭みがどうとか、味がどうとかという次元ではなく、ほのかな香りを感じ取るというほど繊細な味わいで、瑞々しく柔らかい。
そのためシャリとの馴染は良く、米の甘味、魚の旨味の黄金比が楽しめます。
やはり寿司にする事で香りが増して美味くなります。
半身で6貫サイズで、丸々半身分美味しく頂きました。
寿司で食べると一瞬で終わってしまうのがなんとも悲しいところ。
刺身だと少し物足りないものの、寿司にすると満足感が増す魚は手間がかかるものの食べるときには一瞬なので儚いものです。
ワカシの天ぷら
握りにした個体の端材と半身の皮を引いて揚げました。
こちらもまた美味し。
水分がある魚なので、衣を割るとじゅわっと旨味が溢れ出ます。
血合いからは青魚の旨味が感じられるのはやはりアジ科であるからでしょうか。
ワカシの干物
2尾あったうちの1尾は干物にしました。
開いて塩水に漬けこみ30分、水分を拭き取ったら冷蔵庫でラップをせずひと晩乾かします。
表面がしっとりしていた頃を見て焼きます。
焼き上げるとジュワジュワと脂が音を立てて泡を吹いています。
小ぶりなものの、脂が混じっているためボソボソせず大変美味です。
ワカシは焼くのであれば単に塩焼きではなく干物にするのがおすすめ!
水分を抜いてから焼くことでパサつかず、旨味をより凝縮させて楽しめます。
ワカシの評価
価格 ・・・・☆
コスパ ・・☆☆☆
珍しさ ・・・☆☆
味わい ・☆☆☆☆
価格
・大変安い。定置網漁などが盛んな港町のスーパーや道の駅などへ立ち寄ると、非常に安く買い求められる。
コスパ
・歩留まりはやや良し。身は膨れ可食部が多く、アラも煮る・揚げる・出汁などの用途に使える。
珍しさ
・ブリという種として見ると普通に見かけるものの、ワカシとなると産地周辺でしか出会えない。基本は1キロ前後のイナダ〜のサイズのものを見かけるため、小型のものは貴重である。
味
・若い香りに柔らかい身質はワカシならでは。唯一無二の美味さがこの魚にはあり、サイズによって変わるというのも面白い。
今回は熱海から取り寄せた鮮魚BOXから、ワカシをご紹介しました。
夏を告げる・産地を思わせる魚で、かつて朝一の電車に乗り込み2時間かけて通っていた江ノ島の直売なんかを思い出します。
ある種相模湾らしい、色々と思い出のある魚です。
今回取り寄せたBOXには他にも美味しい魚が入っていたので、これもまた別途ご紹介します!
副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記
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