変わった名前のトゴットメバル食べてみた
こんにちは!夢海です🐟️
今回は珍しい、ちょこっと変わった名前のお魚の紹介です✨
目次
トゴットメバルの形態
今回のお魚はトゴットメバルというメバルの仲間。
至って普通な見た目をしています。
そしてスーパーでも似た魚が売られていたりと、ごく普通のメバルのようです。
△似た魚のウスメバル。こちらは非常によく見かける。トゴットメバルは独立した斑点のような模様だが、こちらのウスメバルは背中の模様が繋がっているように見える。
しかしタイトルにもあるように、"トゴット"という変わった名前の持ち主であり、私が3年ほど探し回っていた魚であります。
実際少なくはないと聞きますが、なかなか出会える機会がなく今回ようやくお世話になっている豊洲の仲卸さんで見かける事が出来ました。
ちなみにトゴットというのは漢字にすると戸毎目張。しかしこれにはあまり意味合いはないらしく、由来としては外庭目張(ともとめばる)。庭の前の磯に居ることからこう呼ばれ、それが変化していったようです。
お値段キロ当たり¥2000。少々高くも感じますが、身のふっくらとした様子や個人的なレアリティで気になるものではありませんでした。
こちらを3尾購入。ちょうど1キロくらいです。
顔が小さく背中が盛り上がっています。
魚種の珍しさで衝動的に選びましたが、これは間違いなく当たりの個体。
第一印象は人だけでなく魚も重要で、初見ではなるべく良いものを食べたいところです。
トゴットメバルの調理
まずはまとめて鱗を落としてしまいます。
今回は1尾を姿煮、残りは三枚に卸してしまいます。
頭を落とすと立派な肝が入っていました。
この肝は3匹分集めて煮付けにしてしまいます。
この時期は産卵が終わり餌をよく食べる時期なのでとても太っています。
胃の中からも3匹からそれぞれカタクチイワシなどが出てきました。
捌くと半透明な白身が。しっとりとしていて、脂はそこまで感じられませんが上質です。
身の状態を見てもちょうど食べ頃でしょう。
腹骨を引いて
血合い骨も骨抜きで抜いてしまいます。
あとはお刺身・天ぷら用に皮引き、唐揚げは皮付きのまま揚げるので一口大にカットしていきます。
メバルはそのままでは旨味が少ない為、お刺身は昆布締めにしようと思います。
塩をして一晩~1日、飴色になり表面がもっちりしてきたら完成。
皮目にはメバル類にしては珍しく脂の層があります。これは期待値が高まります。
煮付けは切れ込みを入れて薄目の醤油で煮付けていきます。
トゴットメバルの料理
トゴットメバルの天ぷら
まずは天ぷらからご紹介していきます!
フライヤーを導入したため、衣がフワッと広がる様に揚げる事が可能になりました!見た目だけでもかなり美味しそう。
味の方はこのトゴットメバルの持つ味わいに個性があり絶品。
ぷりぷりと細かな身がバラバラにほぐれていきます。
メバルの美味しいところはなんといってもこの食感。そして加熱する事でグンと引き出される魚らしい旨味。
煮魚でもそうですが、この細かな筋肉の隙間に味が染み込んでいき、奥からも魚の旨味がやってくる。美味さと美味さのぶつかり合いが楽しめる魚だと思います。
トゴットメバルの唐揚げ
皮付きでカリッと。
皮を残しておいたことで食感がプラスされより美味しく仕上がりました。
やや濃いめの漬けダレが染み込み、とても相性よく馴染みます。
アツアツの出来立てを盛り付けるとそのまますぐに口へ。
ホクホクとしながら食べる唐揚げはやはり美味いものです。
身が程よく締まり、固くないものの食感はしっかりあり、食べ応えがあるのがメバルのいいところ。
あっという間に食べきってしまいホッと一息。
朝も早かった事もあり、満足感と睡魔でこのまま深い眠りにつきました。
トゴットメバルの骨煎餅
メバルやカサゴといえば丸々揚げる唐揚げがあり、頭や骨までバリバリ食べる事ができます。
今回は残ったあら骨を使い二度揚げをしっかりとして固い中骨も食べられるようにじっくり調理してみました。
骨煎餅のいいところは手で持っては豪快に食べられるところ。
塩胡椒だけのシンプルな味付けですが、カリカリといい食感の骨煎餅にはぴったり。他にもカレーパウダーやわさび塩などピリリとした調味料がよく合います。
そして、鼻を抜ける香ばしい香りが骨煎餅の美味しいところ。
少し骨煎餅には大きいとも思いましたが背骨もバリバリと食べられあっという間に完食。
魚の大きさにもよりますが、小さめな魚の中骨が余ったら骨煎餅オススメです。
トゴットメバルの昆布締め
手頃なサイズだった為姿造りにしてみました。
飴色に染まり昆布の旨味がしっかりと移っています。
旨味を感じる為やや厚切りしてみました。
少しの醤油を付けて頂きます。
程よく寝かせ日が経っているものと思いましたが、コリコリ食感が残っていました。
しかし噛めば噛むほどに昆布の旨味が溢れてきます。
皮目の脂に期待しましたが、通常より脂らしさを感じるかな。といった程度で、コレもまたメバルらしいです。
しかし身の厚みはある為食べ応えに量的な満足感はしっかり感じられます。
握りにするなら薄く、食感や旨味を楽しむなら厚めに切るといいと思います!
トゴットメバルの姿煮
最後にこの立派なメバルをそのまま煮つけた姿煮になります。
身離れがとてもよく、切れ込みに箸を入れていくとすっと骨から剥がれてくれます。
そしてメバルといえば煮付けとても美味しいと言われる程に、このトゴットメバルも例外ではなく大変美味です。
しかも脂の乗りが良かったらしく、煮汁の表面には脂の層がキラキラと浮かんでいます。
加熱したことでこの脂の甘味が強く感じられ、今回の個体がとても良いものだったと思い出させてくれます。
そして一緒に煮つけたたっぷりの肝も濃厚な美味さ。
内臓や血をしっかり洗い落とした為に旨味だけが伝わります。
3匹分のこの肝をのせるという贅沢な食べ方で堪能しました。
トゴットメバルの評価
価格 ・☆☆☆☆
コスパ ・・☆☆☆
珍しさ ・・☆☆☆
味わい ・☆☆☆☆
価格は豊洲で仕入れたのもありキロ¥2000超えというメバルにしては少しお高め。しかしクオリティを考えると申し分ない妥当な価格だと感じます。
コスパは身だけで素直に考えれば、いわゆるこの根魚と呼ばれる魚はあまり良いとは言えません。
しかしあらからはいい出汁も出れば揚げて煎餅にしても食べられる。今回は(も?)標本にするため登場しませんでしたが、頭も出汁用に使えます。
珍しさは私の中では相当レアな魚でしたが、一般的にはそうでもないようです。
探せばなかなか見つからないが、産地を選べば手に入りにくいとは限らないようです。
味わいは文句なしの☆4つ。兎に角身質が何にしても美味く適応してくれる万能魚です。
今回は変わった名前のメバル、トゴットメバルをご紹介しました。稀にヘンテコな名前の魚がいますが、実は昔の言葉から変化したものだったり、昔の言葉そのものを使った名前だったりと由来は多種多様です。
そういった意味で魚は生きた日本語であり、訛りなどの変化した様子を見ていると歴史ですら感じさせます。
生き物の楽しみ方というのは本当に多岐に渡り、名前の由来もまた魅力の一つだと僕は思います。
本記事は、サテライトライターさんの記事になります。
サテライトライター:夢海
未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで400種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記
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