小サメガレイは色々使えるのだ

2025年6月11日

こんにちは、夢海です🐟️

 

4月の第一週が終わるころ、花見シーズンも終わり、

さて、目の前には福島から来たというサメガレイがある。

野締めでヌメリがすごいので、これが破格なのである。

 

買う予定はなかったし、写真を撮影するという意味で欲しいくらいで、特別急いで買い求める必要はないのだが、それでも悩んでしまう程には安いのである。

市場を2周したのちに、狙っていたものが売れてしまい、他に目ぼしいものも無かったので買ってきた。

 

サメガレイも度々食べてはいるけれど、旬だとかを意識して食べたことは無かったので、今回がサメガレイという魚へ理解を深める第一歩になるであろうと思います。

 

 

サメガレイの特徴

まずはじめに、今回のサメガレイは福島県産。

 

細かなところまでは荷姿を見ても判断できなかった。

ここ数日の間は宮城など主要な漁港にトロールで漁獲されたサメガレイがトン単位でと、かなり揚がっているらしい。

その為もあってか、相場はかなり安い。

 

当然、北海道の釣り物、2kgもあるものとなると、3倍以上じゃ済まない程の値差がついている。

サメガレイはピンからキリまである魚で、今回のものはキリの方。

どちらか片方のものしか見ていない人は、たちまち驚かされる事だろう。

 

さて、買ってきたサメガレイはヌメリに覆われ、特有のにおいを纏っている。(写真は除去後)

 

個人的にはカレイの良いにおいだ。と思えてしまうものの、大多数の人にとっては好まれないような香りであろう。

排水溝のごみ取りネットを詰まらせつつ、ヌメリを洗い流す。

 

この作業を嫌がるか否かで、この魚を安いと思えるかどうかが分かれると思う。

つまりは仕事をする人(手間をかけるの意)であれば、安く感じられる食材だ。

 

洗い方は簡単。魚に対して限りなく水平に、やや強い水圧で水を頭から当てると意外に綺麗に落ちる。

ツルンと汚れが落ちて、これまた楽しい。

以前働いていた職場では、現場の隅っこでホース片手にサメガレイを綺麗にしていた。なんて事をしていたのを思い出す。

 

当然、臭いなどを軽減させ、見た目を綺麗にしサメガレイという魚種の評価を上げる意味も兼ねて、である。

 

つるりと綺麗になったサメガレイの表面はザラザラというよりはゴツゴツな表面が現れる。

それでもカレイの中では圧倒的に不気味な見た目なので、安くても売れにくい魚。なので悲しいのだ。

 

 

サメガレイの料理

サメガレイの刺身

まずは刺身から。

 

鮮度感は問題ないものの、活〆にされたものの方が好ましい。

カレイの割りに血合いは桜色をしており、見た目がかなり綺麗。

素の旨味というものは薄く、脂の味に溺れるような感覚。

 

炙るとまたうまい。

 

サメガレイの握り

柵取りしたサメガレイをつける。

半身4貫、背と腹で2貫ずつというサイズになる。

 

原価は安くとも、手間を考えるとあまり寿司向きとは言えないでしょう。

そういった意味で飲食店では出ないであろう1貫である。

小型ながら旨味が豊富、1キロを超えるような個体の脂っこさがなく、みずみずしいが水っぽくはない。

 

シャリとの馴染みも悪くなく、寿司としては上出来である。

でも一点物申したいことが。

それは何か？というと、味がストレート過ぎるところだ。

 

分かりやすい美味しさだけれども、どうもこう、一捻り欲してしまう。

言い換えれば、飽きが来るのが早いという意味になる。

 

ポン酢と紅葉おろしや、炙ってみるなど、ひと手間加えるとより面白くなる、そんな1貫でした。

 

サメガレイの白みそ焼き

サメガレイは皮を剥いて味噌と酒、味醂に漬ける。

 

普段は西京味噌を買うところ、安いよ！と言われ買ってしまった白味噌2kg(西京味噌ではない)を使うべく、あらゆる魚を漬け込んでいる。

今回使った味噌は西京味噌ではないため西京焼きとは言わない。

 

こういった漬魚に向く魚の傾向は、慣れてくると分かりやすい。

身に均一で一定の脂があること、水分が多すぎず、締まった身であること。など。

白身に限らず、ブリやヒラマサ、他で紹介予定のスマなどの赤身でも良いと思う。

 

焼き上がって、癖が強すぎず、味噌と仲良し！な味の魚が美味しい。

サメガレイはこれに当てはまり、単に焼くと少々脂っこい。これを味噌で食べやすくするといったイメージ。

 

淡々とした身に味噌の味が染み込んでいる。

 

サメガレイの味噌煮

暖かくなってからはもっぱら醤油や塩などで味付けする料理ばかりで、久しぶりにこってりしたものを欲していた為、本能のままに味噌煮にする。

 

サメガレイの切身はまず湯をかけてヌメリと臭みを落とす。

生姜を入れて沸かせた熱湯にゆっくり入れ、各種調味料を入れていき、沸騰したら味噌を溶いてまたひと煮立ち。

 

これが美味しくて驚いた。

味の成分としてはカラスガレイと近い。

これを置いておき、翌日の昼ごはんにしました。

 

サメガレイの評価

価格　　　・・・☆☆

コスパ　　・・・☆☆

珍しさ　　・・・☆☆

味わい　　・・☆☆☆

 

価格

・ピンからキリまである魚。状態や漁法、産地によって値差は広い。小型の野締めのものは安く、惣菜になる。

 

コスパ

・小型である以上、おろすと歩留まりは悪い。表面の皮は硬く、食べられないため基本的には剥く。その分より可食部は少なくなる。

 

珍しさ

・関東の市場を探すと意外に見かける。福岡などでも水揚げはされるものの、主に常磐以北の太平洋側で多く揚がるため、西日本になると少なくなるのではないか。

 

味

・小型でも脂があり、味がある。しかし魚本来の味としてはやや単調。味付けを工夫すると何にしても美味。

 

今回は常磐から来た小型のサメガレイを頂きました。

色々使えると言ったものの、紹介出来たのは4品。

しかしこの他にも天ぷら・フライ・ムニエル・塩焼きにと、味が良いので食べ方は色々と選べるのだ。

なかなか都内の小売店に並ぶことは少ないかも知れないが、地方市場や身近なスーパーなどで見かけた際はぜひお試しあれ。