2025年初買いはサワラ

2025年1月27日

明けましておめでとうございます🐟️

今年も夢海をどうぞ宜しくお願い致します。

このブログが投稿される前に、いくらか公開されたと思いますが、年末に書き綴っていたが間に合わなかったものをポツポツ出していました。

今回の魚は2025年初魚。

年明けは漁師さんがお休みであったり、年始スタートが日曜日というところに重ねて今年は運送会社が休みに入っている等の影響があり、ニュースになるほどのマグロやウニが賑わせていた開市日初日は、鮮魚はほぼない状況でした。

なので初買いは翌日1/6。

石川県から来たという上物のサワラが並んでいます。

年末買いそびれた事もあり、出世魚で縁起が良いやと強引に結び付けてこれを買い求めてくる事に。

2025年はサワラで始まる1年となりました。

サワラの特徴

石川県は蛸島の定置網で捕れたというところまで分かったので、記録する産地の情報としても申し分なし。

最盛期は恐らく過ぎ、魚体も2キロちょいと、サワラと言うよりはヤナギサイズですが、食べきる事を考えると申し分なし。なサイズです。

サワラはこの背鰭の碧色が非常に綺麗。

思わず見とれてしまうのは7年前、初めて水産の世界へ入った頃と変わりません。

年末年始は旅に行くもののいい店に着き当たらず、しばし食べられていなかった生魚が食べたくて仕方ないので、購入当日はささっと処理をし刺盛りを作ることに。

断面を見るといい感じ♪

卵巣は小さくしぼんでおり、これから徐々に膨れていくのだろうと考えられます。

年末の上物をひたすらに見たあとなので少し出遅れたか?とも思える年明けですが、まだまだ脂が抜けておらず背や尾にかけてこそ透明感が増しますが、腹や頭に近い部位はサシが入り脂身が感じられます。

切身や柵取りをしておけば数日はまな板を余計に汚さず調理が出来る。

サワラの料理

サワラの刺身

初日は刺身から。

皮を引いたもの、炙りを造りました。

普段私が買うサワラは1キロほどのサゴシと呼ばれるものが多く、脂身もまだまだな個体が多いので問答無用で炙りますが、今回は頭に近い背側を一部皮引きをしました。

皮を引いたものは私はサゴシサイズではまずやらないもの。素直なサワラの味を見てみます。

炙りが優秀な余り、美味すぎ

炙りは説明不要。

サワラ(正確にはサゴシ)の炙りを人生で初めて食べた18の頃からはサワラは炙りだ!という印象が深く深く根付いています。

ワラの塩焼き

続いては定番の塩焼き。

初日の刺身にした柵を取った反対側の身を骨付きでカットする。

これに昼に塩をまぶしてラップし、夜に取り出して水分を拭き取り焼き上げます。

塩焼きは焼く前に振っておき、時間があればラップなどをして馴染ませてから焼くと、グンと美味しくなります。

こちらはサゴシの大きさではモソモソっと水分を持っていかれるような食感が感じられず、ジューシーさがしっかりある。

勝手に名付けている"塩焼きの王様"は、上品さのある繊維と淡白な身、そこへサバ科の旨味が少し入り込み、もういいや、ともならないし、物足りないとも感じない絶妙な味。

今回の個体は、そんなお手本のようなサワラらしさを感じさせ、そうそう、こんなのが食べたかったんだよ。と有り難い美味しさでした。

サワラの水炊き

鍋ものは二品、日を分けて作りました。

初日はあら骨を焼き、昆布と出汁を取り一度冷ます。

これを野菜やサワラの切身を入れてコトコト煮込んで完成!

これだけの具だからこそ出汁が香り、野菜から汁へ移った甘味がサワラへ染み込み、その中でサワラの旨味が際立ちます。

余計なものを入れていないからこそ、すりおろした生姜が体をジンと温めてくれるし、舌の上でホロンとほぐれ砕けるサワラからの青魚らしい美味しさは何物にも例えようがありません。

年に一度、冬は欠かさず買わねば。となります。

サワラの割下鍋

続いては割下鍋。

2日連続という超超贅沢を年始からしてしまっていいのだろうか。

どこか後ろめたい事をしているように感じるほどにこの鍋もまた素晴らしかったものでした。

適度な脂を含むサバ科魚類は総じて割下との相性が良いように思えます。

具材は豆腐、長ネギ、サワラにゆず皮を少し散りばめただけの簡単なものですが、シミシミになったサワラの身はホロンと崩れ、涙が出そうな程に美味し過ぎるのです。

"サバほど赤臭くない、それでもサバ科らしい美味しさ"というサワラにしかない味を汁が優しく包み、鍋用だというトロント溶けたネギの甘味と交互に食べ合わせる。

冷蔵庫から生卵を取り出し、コタツへサササッと戻っては汁に卵を溶いて炊きたての白米と食べ合わせる。

黙々黙々と夢中になり、気がつけばご飯3杯、鍋も半分は食べたのか?と思えるほどに減っており、あまりに口福な食事となりました。

サワラの握り

最後は握りで締めます。

とは言っても説明不要な美味さで、お好みでワサビ以外でも薬味は好きに合わせられます。

今回は脂を感じたく、ワサビにしました。

脂っぽさを抑えるならジュレ状にしたポン酢と薬味かすりおろし生姜。ワサビは脂の甘味を引き立て、まとまった余韻があとに残ります。

隣の佐渡島産メジマグロにさえ劣らない存在感で、まさに白身の筆頭ネタ。

優秀過ぎるサワラちゃんで、2025年のいいスタートが切れました。

色々と不安な出来事の多い昨今ですが、これだけいい魚を食べてスタートできた2025年もまたいい年になる事を信じ、今年もうお活を広げていきたいと思います。

サワラの評価

価格   ・・☆☆☆

コスパ  ・☆☆☆☆

珍しさ  ・・・・☆

味わい  ☆☆☆☆☆

 

価格

・年末になると需要の高まりで相場が上がるが、年が明け、数多く水揚げされるようになると落ち着き始める。

 

コスパ

・頭は小さく、細長いものの大型になるほど厚くなり歩留まりは悪くない。元の魚価が高めなので、やや高級ネタ。

 

珍しさ

・一般的。ほぼ通年漁獲があり、冷凍品も多く出回る。

 

・冬のサワラはひと回りもふた回りも美味くなる。みずみずしい脂は甘さが強く、火を通す調理も広く活用出来る。

 

今回は年末に食べそびれたサワラで2025年初買いとなりました。

たったの10日ほど魚が食べれていないだけなのに、久しぶりに食らう魚はやっぱり美味い!と、毎年感じらます。

多くの水産関係者の方へのありがとう!と叫びたくなるほど。なので、年に一度や二度はこんな時期があっても悪くないなと思えます。

 

(水族館目当てなので仕方ないけど)年末年始に出た旅先でまともな食事が出来なかったという出来事の穴埋めという意味でも、今回のサワラはやけに美味しく感じられました。

どんな調理方でもいいし、買おうと思えば比較的手に取りやすいものなので、見て頂いた方は是非、この冬にサワラをお試しください。

 

ライター紹介

副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記

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