年末年始の魚が少ない時期はナンヨウキンメと共に
こんにちは、夢海です🐟
年末年始、魚屋だけでなく漁師さんも皆休みに入るため、本業でも売るための魚集めが大変なほか、個人的にも年末年始を乗り切る魚を買い集めておくという任務があります。
年末年始となると、休市の日数からおおよそ5日間。休み明けもすぐに魚がドカッと来る訳でもないので、1週間半くらいは天然の生魚が食べられなくなります。
なので日持ちする魚を買い集め、ちまちま食べるというのが私の過ごし方になります。
年末28日。仕事納めまで間もなく!というタイミングで面白いものを見つけたので購入してきました。
目次
ナンヨウキンメの特徴
今回の魚はナンヨウキンメ。
流通上では平キンメと呼ばれ、その名の通り通常のキンメダイに比べ体高があり体が平たいです。
今回の個体は30.2cm400gと、1〜2kgあたりの個体が多く流通する本種にとっては小さめ。
小さいだけあり価格も安く収まり、内臓さえ出してしまえば比較的日持ちする魚でもあるので、年末年始にゆったり食べようという魚を探していた非常にいいタイミングに出会えました。
このナンヨウキンメですが、一度食べたことがありますが、寿司屋で頂いたのみ。
皮も引かれており、産地もわからず本当にナンヨウキンメなのかもわからずであった為、ある意味本種を味わうのは今回が初めてになります。
ナンヨウキンメの料理
ナンヨウキンメのお造り
まず一品目はお造りに。
こちらは大晦日に盛り、2023年最後の調理となりました。
市場での忙しさを忘れ、正月を迎えるという至福のひと時。
この大きさの個体は単に皮を引いて刺身にしてしまったらほぼ間違いなく味がないものと考え、湯引きと焼霜にしてみました。
まずは焼霜から。
軽くふり塩をしてバーナーで炙ります。
焼霜にすると香ばしさだけでなく、身に甘みが増し淡白な身が味わい深くなります。
単に刺身にするくらいであれば、皮も活かせる焼霜に仕立てるのが良いかと思われます。
一方で湯引きは皮の食感がプリッと弾ける感覚が面白いもので、身のもちっと感と合わさり思わず笑みがこぼれる美味しさ。
そして舌に触れた際に感じられる、キンメダイらしい(これは私だけの体感だと思うが)ほんのりとした苦みもあり風味豊か。
味・質・香りと、全くキンメダイと遜色なく身の見た目も美しいです。
ナンヨウキンメ鍋
背骨から出汁をとったスープで、残った半身とあらを炊き、白菜・豆腐・生姜と合わせて柚子皮を削ってシンプルに仕立てました。
こちらは新年初の調理になります。
正月に食べすぎで疲れた胃袋に優しく染み渡り。冷えた朝の体を温めてくれます。
柚子皮に生姜の香りが食欲をそそり、プリンっと締まったナンヨウキンメの身は優しい味わいのスープとよく馴染みます。
汁に脂が浮かぶほど存在感が強すぎず、上品さがあり素朴な旨さがあります。
今回の個体のサイズ上、比較できるものではありませんが、キンメダイには負けずとも劣らず、実に味わいのある魚でした。
ナンヨウキンメの評価
価格 ・☆☆☆☆
コスパ ・・☆☆☆
珍しさ ・・・☆☆
味わい ・・☆☆☆
価格
・キンメダイと比較しやや安いが、2キロを超えるような大型のものはやや高い。今回の小型のものに比べ、味や脂のりなど調べてみたいところだ。
コスパ
・歩留まりは悪くない。あらも使うと尚よい。
珍しさ
・探せば見つかるものの、出会える確率は低い。根気強く探す必要がある。
味
・身質はしっかりしており、淡い旨味がある。小型の個体は皮目を活かして調理したい。加熱すると程よく身が締まり調理幅の広さを感じさせる。
今年は年末年始の魚が少ない時期をナンヨウキンメで過ごしました。
市場も年内で一番長い休みとなり、その分在庫を抱えたくない業者は魚を取らず、休み明けも漁師さんが長い休みを取ると営業が始まっても魚がやって来ないなど、天然魚とはしばしのお別れとなります。
そんな中でも養殖魚が流通している凄さには驚きます。(養殖業者・配送業者の方には頭が上がりません。)
次は先になるけどお盆期間をどう過ごそう。
副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記
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