念願の黄色いアマダイを入手した”キアマダイ”
こんにちは、夢海です🐟
今回は念願の、念願のあの子を入手出来たので紹介していきます。
目次
キアマダイの特徴
今回の魚はアマダイ。
「な〜んだ、アマダイか」
と思った方、少しお待ち下さい。
「赤でも白でもない。キアマダイをご存知か?」
(魚の鮮度はいいのにこっちのネタは鮮度がイマイチ)
ということで今回のものは黄色、キアマダイになります。
解説すると、一般的にアマダイと呼ばれる流通量の多いアカアマダイ。
流通量が全くない訳ではないものの、漁獲量の少なさから希少価値が高く食味に評価があり、非常に高価なシロアマダイ。
そして本種キアマダイは最も流通量が少なく、水産業者ですら存在を知らない方は珍しくないでしょう。
今回購入させて頂いた仲卸さんは、アカアマダイと入会(いりあい)で届いたであろうものでしたが、区別しているご様子。
見ず知らずの若造がアカアマダイと間違えて買いに来たと写ったのか、アカアマダイに並んでいる中から敢えて"黄色いほう"を買いに来たのがよほど不思議だったのか
「キアマ知っとるん?」
と聞かれたため、
「魚色々たべててカクカクシカジカ」
と思わず咄嗟に答えてしまいました。
そんなこんなで購入してきたキアマダイ。
1ヶ月ほど前にアカアマダイを食べたばかりのため、その違いに目を輝かせました。
頬が…黄色い✨
そして模様にもよ〜く注目すると、まるで涙のような白いラインが口へ向かって走っています。
アカアマダイは目の後方に三角形の白い模様がありますが、キアマダイは前方より下方に線状の模様で、よく似た2種の見分けに使えそうな形質になります。
臀鰭の付け根には白い斑点が並びます。
こういう模様の魚…大好きなんです
たまりませんよね🤤
尾鰭は見た目ではアカアマダイにそっくり。
しかし尾鰭の付け根から頭に向かって、3センチほどの黄色い線が伸びています。
今回のものは鹿児島県産。
漁獲された時に〆めた跡があり、鮮度感は非常に良いものです。
鹿児島の出水という産地のもので、今回のものはどうやらアカアマダイに混じって来たそうです。
豊洲はアマダイの取り扱い量が多いため、いつか見られるだろう。なんて呑気に探していましたが、思いの外なかなか出会えず今回初めて見かけました。
キアマダイの料理
キアマダイのお造り
アマダイの仲間は鮮度落ちが早いため、購入当日に持ち帰ったままさっと卸します。
普段であれば昆布締めにするところ、少し前にアカアマダイで昆布締めを堪能したため、今回はそのままと焼霜で頂きました。
まずは皮を引き、単に刺身にした方から。
白く血合いは目立たず、アカアマダイのネットリした食感よりも、イラなどのようなベラ科に近いもちっとした食感。
サイズが小さいこともあり、旨味も薄くアマダイ特有の甘みすらほんのりと感じる程度でした。
一方で焼霜。これは作っておいて良かった。
このサイズのアマダイは皮目を活かすとグンとうまくなります。
もちふわな身に対して、皮目はプリンっと弾けるような食感で、そこから旨味が感じられます。
やはりこのサイズは皮を使ったほうがよいのか、皮を使うべきなのか、アマダイは3種とも食べたことがあるので、今後はサイズに合わせて調理していこう。
キアマダイの若狭焼き
半身の尾鰭に近い方を骨付きで焼き上げます。
鱗はそのまま、よく水洗いをしてヌメリを落とし、塩をして置いてから醤油と酒を混ぜ合わせた若狭地を塗りながら焼き上げます。
今回初めて作ったものの、このうまさは成功したのではないだろうか。うむ、間違いない。
ちょいと醤油が多くなってしまったようにも思える色合いですが、味が濃くこれはこれでよし。
身にもしっかり醤油の味が染み込み、焦げた表面の"焼き醤油味"のパリパリとした鱗が大変美味。
肉も水分がほどよく抜け、ふわふわと軽い。
食感に風味が大変よく、サイズ感も半割にしてちょうどよい程で、酒の友にしてあっと言う間にペロリと食べきってしまいました。
キアマダイの潮汁
最後は潮汁。
鱗を落とし焼き上げた頭を、昆布や酒などと一緒に煮出します。
こちらもふわっとした軽やかな口当たり。
焼けた身は香ばしく、優しい味わいの汁でサラサラと流し込むのが大変美味。
晩にあらを焼き、水に漬けておいたものを翌朝加熱したものですが、手軽に作れサラサラと食べられるため、少し余ってしまった切り身やあらを消費するのにピッタリです。
キアマダイの評価
価格 ・・☆☆☆
コスパ ・・☆☆☆
珍しさ ・・☆☆☆
味わい ・・☆☆☆
価格
・色が違うと認識されていたものの、アカアマダイと同等の扱いをされていた。やや高級魚の部類。
コスパ
・頭は小さく、歩留まりは普通以上。
珍しさ
・どうやら混じって入ることもあるらしいものの、今回初めて見かけたため根気よく探さねば出会えない可能性大。
味
・小型の個体だったためか生は平凡。しかし水分はアカアマダイよりも少ないためか、食感がとてもよかった。火を通すことで美味さが出てくるのはさすがアマダイといったところ。
今回は念願の希少な黄色いアマダイ、キアマダイを購入、食してみました。
火を通した際に感じられる繊細な甘味はアマダイそのもの。
決して偽物だとぞんざいに扱われるべき存在ではありません。
キアマダイの見られる水族館
現在はほぼ見られない。2023年3月に訪れた東海大学海洋科学博物館では展示されていたが、現在は一般の公開が終了してしまっている。
深場に生息するため証明は暗いが、やはり光沢のある魚で暗闇でも目立つ。
副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記
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