北の海の混ざり子ガヤモドキ
こんにちは、夢海です🐟️
最初に、皆さんはヤナギノマイという魚はご存知でしょうか?
黄色がかった橙色の鮮やかなメバルで、比較的流通量もあり、都市圏でも見ることは稀にあるメバル科の魚です。
さて、そんなヤナギノマイの荷から、明らかにおかしい顔つきの魚が混じっている事にのに気が付き、ちょっと待てい。と救出。
見慣れた、「まあ普通のヤナギノマイだな。」という個体と合わせて2尾買い求めてくる。
持ち帰り、早速同定に入る。
目次
ガヤモドキの特徴
明らかにヤナギノマイだろう。というものから調べるために、ヤナギノマイの特徴を見ていくと、どうやらヤナギノマイは下顎には鱗がない。という特徴をここで初めて知る。

※こちらはヤナギノマイ
ふむふむ。ではヤナギノマイに当たらない怪しいヤツらはと、先に軽く見てみると下顎に鱗があるようだ。
過去にはアカガヤというこれまたちょっと珍しいものを見つけて食べている。
本種もまた鱗があったらしい。
明らかに違うでしょう。という見た目だった上に、背鰭の棘条数で分かるため、そこまで調べなかったのだ。
長い前置きになってしまったが、今回の魚は前述の通りガヤモドキという魚。
数いるメバル科の1種である。

こちらがガヤモドキ。
飴色をした綺麗な魚である。
ヤナギノマイと見比べてみると、多少なりとも印象が異なるが、なかなか見分けられる人は少ないんじゃないかと思う。

ヤナギノマイ(上)ガヤモドキ(下)
見比べてみると、ややヤナギノマイの方が体高がある。
色味もヤナギノマイは黄色っぽく、ガヤモドキはオレンジ色に近いのだが、これは出荷の状態により異なるため、あまり充てに出来ない。

ガヤモドキ(左)、ヤナギノマイ(右)

この下顎の部分に鱗があり、ヤナギノマイはツヤっとしている。
尾の方から爪でかいてみると、鱗のあるガヤモドキはガサガサしている事がわかる。
もし、この記事を見ている方の中に、魚にあまり興味がなく、ヤナギノマイの調理法を調べて辿り着いた、等の方がもし居れば、ぜひお手元のヤナギノマイを調べてみてください。
鱗があれば、比較的珍しい(ヤナギノマイがCランクなら、Sランクくらいの珍しさなので)、ちょっとしたクジみたいな、ワクワク感をぜひ味わってみてください。
そんな似たもの同士のレアな種というものがごまんとあるので、魚は面白いんです。
ガヤモドキの料理
ガヤモドキの刺身

まず一品目、半身は刺身にしてみた。
卸していると、思いのほか身が引き締まっていてヤナギノマイほどだるんとしていない。
また、血合いも鮮やかである。

今回試すのは焼霜と刺身。
どちらも暖色系の温かみのある美しさである。
焼霜は、やや強めに火を入れた。
メバル類は皮が厚く、半端な炙りでは噛み切れないからだ。
僅かにだが、皮下に脂を少しばかり感じる。
この手の魚は、肝か皮下に集中して脂が集まるので、思い切って炙りにするのは正解なのかも知れない。
この後紹介する刺身よりも、断然風味は強くなるので、濃い味が好まれる近代では売り方として的を射ている。
一般的なスーパーの魚屋でも、ウスメバルなどを焼霜にして売り出していたりするくらいだ。
煮付けを作る人が少なくなっている昨今、高鮮度化してきた北方などのメバル類は、刺身用として生まれ変わろうとしているのかも知れない。

刺身は柔らかく、咀嚼すると旨味がじんわり広がってくるタイプである。
食感こそヤナギノマイも似ているのだが、後に続く旨味がほぼない。
肝のせなどにすればその欠けた部分を補えるのだが、関東に来る頃には肝も溶けてしまっていたりと、なかなか上物に出会いづらい。
このガヤモドキ、実食したのはまだ人生で2個体のみなので、母数が圧倒的に少ないが、生で食べるならばヤナギノマイよりも本種をお勧めする。
大切りにした切身を寿司種にするのも面白そうである。
ガヤモドキとヤナギノマイの煮付け

ガヤモドキ(左上)とヤナギノマイ(右下)
煮付けに関しては、ヤナギノマイも負けじとやっぱり美味いな〜と感じる。
煮付けに関しては、ややヤナギノマイに軍配が上がった。
ヤナギノマイは身がしっとりしているのに対して、ガヤモドキはややあっさりし過ぎている。
その後に続く旨味というのは、ガヤモドキは淡々と続いていくのだが、ヤナギノマイは煮汁と美味いとこ噛み合う。
身の水分が多いヤナギノマイの方が、味を吸いやすいみたいなのである。
これもまた魚の面白いところで、直近でもウミタナゴとアオタナゴの比較で、刺身と焼きの評価が逆転したのだ。
差の大きさは種によって違えど、魚には調理の向き不向きがあり、近縁種などでも実際に比べてみると差があり面白い。
ガヤモドキの評価
価格 ・・・☆☆
コスパ ・・☆☆☆
珍しさ ・・☆☆☆
味わい ・☆☆☆☆
価格
・ガヤモドキとして来ることはなく、ヤナギノマイに紛れてくる。評価はヤナギノマイと同じで、メバル科魚類の中でも安価である。
コスパ
・ヤナギノマイよりは多少歩留りが良いような気がするが、大差はない。
珍しさ
・恐らくはヤナギノマイの荷に紛れているもの。本主のみの流通は見たことがなく、個体数もそれほど多くないので産地でも区別されていない可能性がある。見分けられる力があっても根気強く探す必要がある。
味
・ヤナギノマイより美味。漁法や仕立て方で変わるとは思うが、特に生食は、身のハリや味がヤナギノマイほどだらけない。煮付けは同様に旨い。他にもムニエルや中華風に蒸しても美味であろう。使い道は幅が広いと思われる。
今回はヤナギノマイに紛れていたガヤモドキという魚をいただいた。
過去に食べた事のあるアカガヤと、本種ガヤモドキもヤナギノマイの中から探し回っていたところであったのだ。
案外、あっさり見つかったし、この数ヶ月後にもあっさりと1個体見つかった。
時期は晩夏〜晩秋にかけて。
ヤナギノマイは細々とではあるが、通年並んでいるな、なんて感じらる程の流通量で、これまでもあれば気にして見ていたのだがそれらしいものは見てこなかった。
もしかすると、季節によってヤナギノマイの群れに混ざって来て、他の季節には違う水深に移動する、なんて事であれば面白いな〜。なんて考えている。
知りたいこと、調べたい事は山のようにあるのだ。
副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記


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