小さいのにうまい…っ!?カイワリという魚を食べてみた
こんにちは!夢海です🐟️
皆さんはカイワリと聞くとどんなものを思い浮かべるでしょうか。
「野菜だっけ?」
なんて声が聞こえてきそうです。
確かに細長いパックの野菜ありますよね!
しかしあれは「カイワレ」なので一文字違い。
とはいえ、やはり多くの方が思い浮かべるのが野菜のカイワレダイコンでしょう。
身近な食材ですし、なによりも聞き馴染みがありますよね。
それでは“カイワリ“とはなんなのか、見て行くとしましょう。
目次
カイワリの特徴
カイワリというのは…
こんな見た目の魚です!
カイワレダイコンに似ている名前から、「緑色なんじゃないか。」なんて考えてしまいそうですが…、
まさかその正体が銀色に輝く平たい魚だなんて、なかなか想像出来ませんよね(笑)
このカイワリはいわゆるメッキアジと呼ばれる、平たく背が高いアジの仲間です。
アジの仲間はほとんどの種類に○○アジと付くため、カイワリをご存知の方でもアジの仲間として浸透していない気がします。
背の低いマアジに比べて体高が高く、シマアジのようなひし形をしています。
産地は愛媛県産。瀬戸内に面した海域で漁獲された個体で、水揚げの翌日に手元にやってきました。
そのため鮮度は抜群!
漁法は刺し網のため、卵巣が飛び出してしまっています。
カイワリの卵は粒が細かく、絹のようになめらかなため明太子にピッタリです。
今回は膜が破れてしまっているので断念。
また状態のいいカイワリの卵が手に入ればやってみます。卵ということでこの個体はメスですが、普通は外見上から性別は分かりません。
鰭は黄色く、背鰭と臀鰭は先端に行くと黒い部分があり、その外側を白いラインが覆います。
腹鰭も同様に白く縁取られます。
そして冒頭でも茶番を挟んだ話題、“カイワリ“ときくと「野菜…?」という反応について。
由来としては同じらしく、二枚貝を割ったような形状の尾鰭を持つためカイワリであり、
野菜の方も芽の二枚の葉が貝を割った形状に見えるためと言われています。
↑二枚貝を割ったような見た目で「貝割(かいわり)」
そのため野菜と連想してもあながち語源としては違いがないので、一文字違いとは言え間違いではありません。
このカイワリはなんと高級魚のシマアジにも匹敵すると言っても過言でないほどの美味い身を持っています。
身を三枚に卸して、頭は半分に割りあら骨まで美味しく頂きましょう!
身は焼き、揚げ、そして生用に仕込み。
今回はそのままお刺身にするのではなく酢で締めてみたいと思います。
カイワリの料理
カイワリの塩焼き
骨付きでぶつ切りにした上身(頭のほう)に切れ込みを入れて塩をまぶし、水分が飛びすぎない程度(今回は強火で6分弱)に焼き上げます。
焼きすぎるとパサッとしてしまう魚なので焼き加減が重要になります。
皮をパリッと箸が貫通するほどの、最高の焼き具合になりました。
口へ入れるとほのかな青魚の旨味、その後に滑らかな口当たりの脂で次第に薄まっていき、静かに終焉を迎えます。
アジの仲間という割には大人しい味わい。
しかし控えめな美味さというものはリピートしたくなるもので、骨をしゃぶり尽くす勢いで箸が止まりません。
卵を抱えていた事を考えると、今は旬ではなく旨味が薄い時期なのかも知れません。
それでもしっかり味がありこの魚のポテンシャルの高さを思い知らされました。
カイワリの酢締め
刺身で素直にそのまま食べるのも美味いのですが、今回は思ったよりも脂が薄かった事から酢締めにしてみました。
酢で締めることで青魚くささが軽減され、魚由来の甘味が増します。
漁獲されてから2日しか経っていないので、まだ完全に身は硬直しておらず食感はもちっとしています。
旨味を求めるのであればあと2日ほど待つといい塩梅になりますが、酢締めを楽しむのであれば程よいのではないでしょうか。
さっぱりと美味しいため万人に受けるような魚です。
カイワリフライ
半身に卸したカイワリをそのまま贅沢にフライにしました。
揚げたものを切りつけ皿に盛ります。
グラムそこらの魚とは思えないボリューム感です。
今回はいぶりがっこを使ったタルタルで。
燻製された香りがいっぱいに広がり、噛むと広がる青魚の旨味とよく混ざり合います。
アジフライに比べると水分が多いため柔らかく、少々噛み応えが薄いようにも感じます。
カイワリのあら汁
脂を含む魚は素直に茹でるのではなく、焼いてからダシを取ることでまた違った旨味を引き出せます。
焼いたあらをじっくり煮込みます。
色が出てきて濁ってくればちょうどよい頃合い。
ここに味噌を溶き、お好みで薬味や豆腐などを入れます。
今回は昆布ダシと合わせて整えました。
サラサラとなめらかな汁からは香ばしさと旨味が溶けており、具を入れなかったためか舌に旨味がダイレクトにやってきます。
しかし後味はスッキリ。
いつだか食べたあごだしラーメンのお店のスープを思い出しました。
一口目にガンっと衝撃を受ける旨味がはじけたと思うと脂濃さを感じる前に消えてゆく、そんな不思議なスープでした。
このカイワリ単体でもここまで表現出来るのであれば自作する事も出来るかも…?
少しダシについて研究してみたくなりました。魚のあら骨をいくらか取っておいて、ブレンドしてみたり飲み比べしてみるのも面白そうですね!
カイワリの評価
価格 ・・☆☆☆
コスパ ・・☆☆☆
珍しさ ・・・☆☆
味わい ・☆☆☆☆
価格
・美味い魚なのだが安くもなく、高くもない。イマイチ知名度が高くないのか、関東では少ないためか、平均的な(豊洲で約¥1200~1500前後の価格)価格。
コスパ
・悪くない。体高があるので身はしっかり取れる。あらも美味いダシが取れるので捨てようがない。
珍しさ
・関東ではやや珍しい。この魚を狙っているとひと月、ふた月経っていても不思議ではないほど。しかし入荷は主に九州、四国などからまとまってやってくる。
味
・非常に美味い。今回は時期を外していたが、それでもポテンシャルは高く、旬を迎えた1キロ以上の個体は強い旨味を纏う。素直に焼いても、ムニエルなどで味をつけてもいけるし、今回紹介しなかった煮付けもいける味わい。
今回はカイワリという、お野菜みたいな名前の魚を食べてみました。
しかし蓋をあけてみれば高級魚顔負けなうまさを持つ小さなアジの仲間でした。
そして食べ方もアジ同様に幅の広い楽しみ方が出来ます。
いつか1キロオーバーの大型個体を紹介してみたいなぁ。
それではまたおいしい魚を見つけてきますっ!
副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記
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