真冬に食べる南国の魚の味。アマミフエフキ
こんにちは!夢海です🐟️
「面白いものないかな~」なんて豊洲を3ヶ月ぶりに歩いてたある冬の日。
いましたいました!これぞ熱帯魚!!というようなテンションのあがる魚が並んでいます。
値札が貼られておらず、「これ下さい」と言った後に値段を聞くという状況に。
聞いたところキロ¥1000。まあまあ、妥当な金額でしょう。
これを買わねば今夜の食材はなし。それならば買うか。と、そんな感じで入手してきました。
目次
アマミフエフキの特徴
今回の魚はアマミフエフキという魚。
口周りが赤く、全体的にオレンジがかったグレーのような、茶色のような色合い。
鰭はオレンジ色をしており、黒い斑点が散らばるのが特徴です。
“フエフキ“の名前が付く通り、笛を吹いているように前へ飛び出るような口。
ほっぺたが大きく、ほほに鱗がないのもフエフキダイの特徴です。
よく混同されがちなフエダイとは少し違ったグループで、フエフキダイは頬に鱗がない種、歯は鋭く尖っているのではなく、臼歯のように先端が丸くすり潰すような構造になっている種が多いです。(フエダイは鋭い歯を持ちます。)
↑口がしっかり閉じた状態で硬直していたためとても痛かった。。
このゴツゴツとした歯で海底に棲む甲殻類や貝類、時には魚を食べています。
ぱっと見はおちょぼ口に見えますが、なかなか大きな口を持っています。
喉の奥には咽頭歯を持っていて、咀嚼したものをさらに細かくすりつぶします。
そんな歯のおかげで胃の中からは甲殻類の殻がジャラジャラと出てきました。
アマミフエフキは今回2度目の入手。
前回は本場(?)奄美大島で漁獲された個体でしたが、今回のアマミフエフキは(奄美大島も鹿児島だけど)鹿児島産とまでしか追えませんでした。
大きさは1.6キロ。日持ちする白身魚であれば食べるにはちょうどよい大きさでしょう。
数日間はなにも買わずに何かしら作れそうです。
それではアマミフエフキを調理していきましょう!
まずは普通に3枚に卸します。
身はやや柔らかく真っ白。
少し水っぽく、大マダイのような少し旨味が抜けてしまった身をしているようにも感じます。
しかしふわっと軽い弾力があり、すり身にすれば良いネタになりそうです。
皮を引くと鮮やかな血合いのコントラスト
真っ白な身の種類が多いフエフキの仲間にしては色があって美しい身をしています。
それではこのアマミフエフキを美味しく頂きましょう!
アマミフエフキの料理
アマミフエフキの刺身
卸してすぐのものをそのままお刺身に。
さっぱりと淡白な味わいのため、わさびではなくもみじ卸、そして薬味にネギを用意しました。
やはり味わいの方はなかなかに淡白。
噛んでも旨味は薄く平凡な味わい。
これは刺身にするのであれば昆布で締めるのがちょうど良いだろうな。そんな事を感じながらペロリと食べきりました。
何だかんだ言いながらサラッと食べられてしまうあたり、食欲の落ちる夏場にはちょうど良いのかも。
アマミフエフキのあーさ鍋
南方の魚を使って鍋とはまた面白い組み合わせになったのではないでしょうか。
まーす煮をアレンジし、塩とカツオ出汁を効かせたスープに、豆腐とアオサノリ、白菜を投入。
生姜をアクセントに効かせれば完成です!
癖のないアマミフエフキは塩とカツオの旨味を吸い込み、ジューシーにほぐれます。
そして香る磯の香り。
鍋というと冬のイメージですが、これは夏場に汗をかきながら食べるのも悪くないかも。
癖がなく、硬くなり過ぎないほどよい水分を含み、それでいて磯臭さのない純粋な素材で加熱調理に持って来いです。
甲殻類などを捕食しているため、内臓はややにおいのある魚ですが身に移らないのが優秀なポイントだと思います。
アマミフエフキの昆布締め握り
そのままだと味気ない寿司になってしまいそうだったのでひと手間。
締めるのに使った昆布ともみじおろし、小ネギを添えて出来た寿司は完成度の高いものでした。
抜けてく昆布の香り、ピリッとまとめ上げ役のもみじおろしがそこへちょっかいを掛けてきます。
これら薬味を受け止めつつもどんな味にも染まりすぎない、いい意味で八方美人な魚。
何が良いってこの食感だと思います。
柔らかく筋もあたらない。
寿司にもってこいなネタですね。
アマミフエフキフライ
古くなり始めた為、残った切り身はまとめてフライに。
厚切りにし、皮を引いた柵を丸っと揚げます。
身はふっくら、筋肉の節が大きく、そこに束になる筋繊維がほぐれ旨味を拡散します。
古め(聞こえよく言えば熟成)のため、生の時よりも顕著に旨味が現れています。
そしてみずみずしく肉汁が溢れ、これがソースとよく合うものです。
アマミフエフキの評価
価格 ・・☆☆☆
コスパ ・・☆☆☆
珍しさ ・・☆☆☆
味わい ・・☆☆☆
価格
・フエフキダイの仲間は総じて平均的。中でも大型のハマフエフキだけがやや高価な印象。今回のアマミフエフキは使い勝手が良い割には入荷数が安定せず、知名度の低さから安いと言えます。
コスパ
・頭が大きい割に歩留まりは悪くなく、平均的。
珍しさ
・南方種ということもあり入荷量は少なめ。
関東ではみる機会があまりなくやや珍しいもの。
味
・優秀な白身で和洋中何にも向く。特に加熱しても硬くならず、ふわっと軽い食感が楽しめる。
今回は南の海からやってきたアマミフエフキを調理して食べてみました。
寒いと南国の海が恋しくなり、またそこに住む魚たちが恋しくなります。
魚を入手したのは冬なのに、この記事を書き綴ったのはかれこれ2023年初の猛暑日を観測した5月半ばになってしまい、段々と感じられる夏の香りに心踊らせています。
副管理人:夢海
未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記
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