春感じるタケノコメバルの味は…??
こんにちは!夢海です。
今回は名前から春を感じられる、そんなお魚の記事です。
目次
春を告げる筍+目張
春を告げる、いわゆる春告げと呼ばれる食材と言えば何を思い浮かべるでしょうか。春の食材を思い浮かべるという問題に対して、5つ上げれば筍が、10つも数えれば目張も出てくるかも知れません。
そんな春らしい、春of春といった魚がいるのです。
もう答えは出ているようなものですが、こちら
タケノコメバルというお魚。初耳という方はこれまた珍しい名前の魚がいるんだな、そう思うかも知れません。
釣り人にはターゲットにされたりするので、マイナーではありますが知名度が低すぎると言ったこともない、そんな立ち位置でしょうか。
何故タケノコなのか。由来としてはタケノコの採れる季節、春にまとまって漁獲されるから。というものと、タケノコの皮のような色合いをしているという理由があります。自分は前者しか知りませんでしたが、調べていくうちに後者の説も見かけたのでここに記載させて頂きます。
確かに、言われてみれば他のメバル類にはないタケノコのような特有の見た目をしています。
今回このタケノコメバルを4匹購入しました!仕入先は御徒町の吉池さん。価格はこれで¥600ほどとお買い得。
漁法は刺し網とかかな?
体表が擦れてしまっている個体もいます。ただ味に違いが出る訳ではないので気にしません。
タケノコメバルの捌き方・調理
それでは早速調理に入りましょう。
最近はこのサイズの小魚を調理していなかったので少しテンションが上がっております。(笑)
まずはブラッシング!流水に当てながら表面のヌメリや汚れを落としていきます。
このタイミングで鱗も落としてしまいます。
表面を触ってもヌルッと感じなくなれば汚れの落ちた証拠です。
煮魚など姿のまま調理する魚は特に念入りに掃除してあげて下さい。エグみとなってしまいます。
汚れが落ちたら下処理をします。
今回は生食、唐揚げ、煮魚、干物用に仕込んでいきます。
まずは煮魚と唐揚げ。途中までは工程が同じです。
姿で調理する時は下顎の口と体の繋がっている部分を落としてしまうと不格好になってしまうので、鰓と内蔵だけを抜き取ります。
まずは鰓蓋を開いて下の付け根に一太刀。
そのまま反転させて上の付け根にも一太刀入れて引っ張ります。
すると内蔵が出てくるのであとはお腹に切れ込みを入れるか、鰓のとこから歯ブラシなどで血合いや落ちなかった内蔵の汚れを落とします。
これで煮付けの方の仕込みは完了。唐揚げはここにひと手間加えます。
背中に切れ込みを入れて火が通りやすいようにします。
少し切れ込みを深く入れすぎてしまいました。
背骨に届くくらいまで入れてみましたがもう少し浅くてもいいかも知れません。
そして火を通しやすくするほかに、身が縮んで花が咲くように開いて見栄えが良くなります。
塩胡椒をして片栗粉をまぶして揚げるだけ!
これで唐揚げの仕込みは完了です。
続いては干物の仕込みをします。
とはいえ頭を落として背開きにして完了なので非常に簡単です。
この状態で塩水で洗い、塩を振りかけて一晩ラップをせずに冷蔵庫で寝かせます。
表面が固まりしっとりとすれば完成!
焦げないように様子を見ながら焼いていきます。
最後にお刺身とあら汁の仕込みをします。
三枚に卸して腹骨を引きます。
血合い骨を抜いて皮を引けばサク取りは完了。
皮付きのほうは一口大にカットして天ぷらにしていきます。
メバルやカサゴのお刺身はこのままでは旨味が少ないので昆布締めにしたいと思います。
昆布を水に戻して…
この昆布のエキスもあら汁に使うので捨てずに残しておきます。
水で戻した昆布の水分を拭き取り塩を振りかけます。
浸透圧で魚の水分が抜けて昆布の旨味がググッと閉じこもります。
サクを乗せて上からもう一枚の昆布で包みます。
こちらもこれで一晩寝かせます。飴色になっていれば完成!
残っていたあら骨で味噌汁を作ります。
他の調理法のものは骨もそのまま使うので今回はこれだけ。
余分な鰭などは全て切り落としてしまいます。
頭を割り、熱湯をかけて鱗、臭みを除きます。
これをカリカリに焼いて先ほどの昆布エキスとひと煮立ち。
最後に味噌を投入して完成です!
春のフルコース!タケノコメバルの味は…?
タケノコメバルの一夜干し
まずは一夜干しを頂きます。6分ほどで丁度いい具合でした。
身がふっくらとふくらみとても美味しそうな見た目です。
味わいももちろん最高です。
小さめのカサゴやメバルは味が薄いので、干物にして旨味を凝縮させるとより美味しくなります。
細々とした筋肉の粒が弾けだしてとても美味です!
単純計算で1匹約¥150でしたが、高級魚と言って出せば信じ込んでしまうほど美味です。
ただ、高級魚という表現はあまり好きではありません…。
定義が曖昧だし、キロあたりの単価とかで計算しても市場などの大体の魚は鶏肉や豚肉よりも高いものが多くなってしまうからです。
なので分かり易く、とにかく美味い!と一言だけ残します。
タケノコメバルの唐揚げ
実は失敗してしまったので序盤に登場させてみました。
頭と骨が固くて全てバリバリと食べ切れませんでした…。
というのもフライヤーを持っておらず、揚げ物はいつもフライパンで調理しています。油を深く敷けないので上手いように揚がりませんでした。
カサゴなどでまたリベンジしてみます!
身はしっかり揚がりカリふわ食感が止まらなくさせます。
レモンを搾るもよし、カレーパウダーでも試してみましたがどんな調味料でも合う気がします。
淡白な味わいなのでどんなものにも合うんですよね。次回は頭から骨まですべてバリバリと食べたいので、似たようなお魚を入手した時は再登場させます💪
タケノコメバルの煮付け
メバルやカサゴの代表的なメニューといえば唐揚げや煮付けがまず上がるかと思います。
それもそのはず、キメ細かい身の隙間に汁が染み込みます。
その身を口へ運ぶととろけていきます。頬肉も美味しく、全身の身を堪能出来ます。
う、美味すぎる…!!
この味を知ってしまえば次入手したときには全て煮付けにしてしまいそうです。(笑)
タケノコメバルの昆布締め
旨味が染み込んだサクは飴色になります。
こちらを切りつけて皿に盛れば完成!
メバルのお刺身は旨味が少なく食感がいいのが特徴です。
どこか夏を感じる盛り方だなぁ。(記事を書きながらふと思いました)
あまり春が感じられない盛り付けになってしまいました…💦
まあ美味ければいいや!
食感があるので薄めに切りました。
すだちを搾り醤油をちょこんと…。
もっちり食感を堪能しながら噛むと昆布の香りがどんどん出てきます。
新鮮なものはコリコリと激しい食感ですが、少し寝かせた為かもっちりへと大変身。丁度食べ頃だったかも知れません。
お刺身では感じられなかったであろう奥行きのある味わいに仕上がりました。そこへすだちの酸味がやってきてもまとまるし、紅葉卸しでピリ辛にすれば昆布が際立ちます。
そのまま食べるのも良いのですが、質のいい白身魚で作ると想像以上に付け合わせのパターンが広がります。
タケノコメバルのあら汁
最後はあら汁で!
これが本当においしかったです。
カリッと焼き上げる事で、どこか甲殻類のような香りが出てきました。
濃厚なかに味噌を溶かしたかのようなお味噌汁になりました。背骨の骨をほぐしながら汁をすする、最高の贅沢です。
唐揚げは骨が残ってしまいましたが、他は全て食べ尽くしました。
いやぁー、美味しかった!御馳走様です。
タケノコメバルの評価
価格 ・☆☆☆☆
コスパ ・・☆☆☆
珍しさ ・☆☆☆☆
味わい ・・☆☆☆
価格は安かったのですが、まだまだ大きくなる魚です。
大きなものほど値段も上がるので、今回のものだけで評価は出来かねる為☆4つです。
コスパは今回のように食べ尽くす事も出来ますが、頭が大きい為身の部分で考えれば少し勿体ないような気もします。
煮付けも勿論美味しいのですが、コスパを考えれば全部食べられる唐揚げがオススメです。
珍しさは産地によるかと思います。
主に三陸や飛んで瀬戸内でよく獲れる魚ですが、関東に流れてくるものは僅かに思えます。
私自身、長年探してようやく見つける事が出来たので体感で言えば☆4くらいです。
味わいは何にでも合う優秀な魚ではありますが、個性で言ってしまえば他のものでも代用は出来てしまいます。
美味しいのですが、個性に欠けてしまうということで☆は3つ。
今回はとても春らしいお魚をご紹介しました。
たまにこの様なカッコいい名前のお魚がいるんですよね!
名前からも季節を感じさせる、素晴らしいお魚でした。
本記事は、サテライトライターさんの記事になります。
サテライトライター:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで400種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記
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