羅臼の魚①シロゲンゲ
こんにちは夢海です🐟️
耐えきれない程の暑さの終わりがまだまだ見えてこないような8月の下旬。
北の地へ旅へ行った反動で、なんだか北の魚が食べたいぞ。ということで羅臼の魚を頼んでいた。
あれやこれやと珍しいものをうんと詰め込んでいただき、到着してからは大忙し。
その中から今回はシロゲンゲを調理していく。
目次
シロゲンゲの特徴
今回の魚はシロゲンゲ。

繰り返すが、北海道は羅臼から送っていただいたものである。
よく似たカンテンゲンゲと比べると本種の方がより両眼隔が広く、目が離れた印象。

ゲンゲ類の中ではやや大型になる。 全身は水を掴んだように柔らかいが、顎の骨は硬く、歯も細かく鋭いものが生えそろう。
同時にやってきたアバチャンやサケビクニンを調理した後であった為、ギリギリ生食いけるかとか、思ってもみたが、卸し皮を引くと粘りのある透明な膜に包まれており、これはうまくないだろう。と判断。

ひと昔前ならばとりあえず生で食べてみようと思っているところだろうが、闇雲に美味くない食い方はしないという風に気が付いた時には変わっていた。
刺身でいけるかな?と卸したものは、少量の塩で水分を抜き、天ぷらにしてみる。
もう半身は切り分け、煮つけでいただく。
シロゲンゲの料理
シロゲンゲの煮付け

水分の多い魚は基本的に汁か煮付けになる。
本種は生では水のような身を持ち、これを煮付けると多少締まる。
とはいえ、皮下は透明なとろとろの層に包まれている。

これをちびちびつまむ。
あの質感から、煮付け味のゼリーのようなものを想像できてしまうが、案外味は悪くないのである。
柔らかすぎるがちゃんと白身の味がある。
この手の魚は生で食べても無味で終わってしまいそうだが、火を入れると隠れていた旨味が出てくるタイプだ。
普通の煮魚のような、ホクホクとした感じはないものの、ちびちび摘んだ中に、確かな美味しさがある。
シロゲンゲの天ぷら

これが驚くほどに美味いのだ。
まず綺麗に揚がらない、途中で爆発するだろうと思っていたが、衣をしっかり付け、中の水分が抜ける音がして少ししたら取り上げる、を意識してみると意外にも問題なかった。
揚げたてをそのまま天つゆでいただく。

サクッとした下からは限りなく柔らかい、でも生の状態のヌチャッ、とした感じは一切ない。
筋肉に火が入るとある程度固まり、これがふわっとした食感に感じられ食感がまず美味い。
そしてそして何よりも、味があるのだ。
揚げて美味い、香りと共に込み上げてくるような、白身の確かな味がある。
アナゴに比べると繊細だが、それがまたこの味に集中させてくれる。
相棒は塩でも天つゆでもイケる。
因みにこれは冷めるとべシャッとして間違いなく不味くなるので、ゲンゲの天ぷらはお早めに。
シロゲンゲの評価
価格 ・・・☆☆
コスパ ・・☆☆☆
珍しさ ・・☆☆☆
味わい ・☆☆☆☆
価格
・入合のため本種の単価はよく分からない。北陸のノロゲンゲなどと同様、高い魚ではないはずだ。
コスパ
・可食部の少なくない魚であるため、歩留まりは悪くない。
珍しさ
・一般的な魚ではないため、食すには一苦労必要になりそうだ。然し、どうやらまとまって揚がるらしいので、調理に一工夫必要だが今後利用されてくる可能性はあるかもしれない。
味
・非常に美味しい魚。天ぷらが特に美味であった。刺身には不向きだが、用途は色々あると言える魚だろう。
あとがき
今回は羅臼からやって来たシロゲンゲをいただいた。
ゲンゲは天ぷらがうまい(と聞くが未食だった)為に、この大きなゲンゲで試したいとという発想から揚げてみたものの、これが大当たりであった。
今回は生の状態で調理に入ったので、これが冷凍をするとどうなるか。など、まだまだ気になる点は多い。
冷凍しても美味い天ぷらになるならば、有効活用方も何かしらあるのではないか、なんて考える。
副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記



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