羅臼の魚③アバチャン

 

こんにちは、夢海です🐟️

 

耐えきれない程の暑さの終わりがまだまだ見えてこないような8月の下旬。

北の地へ旅へ行った反動で、なんだか北の魚が食べたいぞ。ということで羅臼の魚を頼んでいた。

 

あれやこれやと珍しいものをうんと詰め込んでいただき、到着してからは大忙し。

その中から今回はアバチャンを調理していく。

 

 

アバチャンの特徴

今回の魚はアバチャン。

 

前回紹介した、サケビクニンにパジャマのような柄のついた、これまた可愛らしい魚である。

羅臼の魚②サケビクニン

姿だけでなく、名前もまた可愛らしい。

水族館でもたまに展示されており、 どこか語呂の良い、思わず声に出して読みたくなるような名前の為か、アバチャンと声に出しては、クスクスと笑う声が聞こえてくる。なんてこともよくある。

 

アバチャンは今回が初めての入手。

 

触ると、まるで水ようかんでも掴んでいるような質感で、これはサケビクニンとあまり変わらない。

ヌルヌルしていそうな見た目ではあるが、これが案外ツヤツヤしていて触り心地が良い。

身は非常に柔らかく崩れやすいので、3枚におろさず骨付きで調理する。

 

 

アバチャンの料理

アバチャンの味噌汁

皮と皮下の透明なヌメリを落とし、ぶつ切りにする。

 

これを味噌汁にしてみた。

すると不思議なことに、甲殻類、特にカニなどのミソのような香りがする。

 

口に入れてもほんわかカニミソ風味が残り、後味も深い海のような香りだけが微かに残る。

魚として考えてしまえば、薄気味悪いかも知れないが、料理でみると実に満足感が高い。

今回の個体は抱卵しておらず、それどころか生殖巣も見当たっておらず、雌雄も分かっていない。

個体差なのか、大きさなどで変わるのか、まだまだ不透明で謎の多い魚である。

・アバチャンの煮付け

※うっかり写真を撮り忘れてしまったので、画像はありません。

味噌汁ではカニのような、濃厚な海の香りがあると言った。

これは煮付けからも感じられたのだ。

"この風味を食べ慣れたもの"、で考えると、味噌汁の方が断然美味いと感じられた。

しかし煮付けも悪くない。

箸で摘めるけど、3回に1回は箸から滑らせてしまうくらいには柔らかいが、味は良いのが面白いところ。

揚げ物などにされている方が多い気がするが、今回の1尾で作れたのはこの2品のみ。

食感が嫌でない柔らかさで、味は良い、という奇妙ながらも美味い魚であった。

 

アバチャンの評価

価格   ・・・・☆

コスパ  ・・☆☆☆

珍しさ  ・・☆☆☆

味わい  ・☆☆☆☆

価格〜珍しさまでサケビクニンと同様。

しかし味は明らかにこちらが上手と感じられた。

とはいえ、サケビクニン2個体、アバチャン1個体のみなので、アバチャンの方がうまい、というのはここでのみ語る事とする。

なんというか、深い海の香りがあり、いや〜な泥臭さがないのである。

香りばかりでなく、舌も喜ぶほどの旨味もついてくる。

そして海域によって模様が異なるのが本種の特性であるため、他海域のアバチャンも探してみたい、と思う次第である。

 

ライター紹介

副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記

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