梅雨の小田原イシダイ
こんにちは、夢海です🐟
冬に魚が少なかった反動で春は衝動的に色々と買い込んでしまうもの。
旬を迎えるものが増えるという意味合いでも、色々と食べたくなってしまう季節です。
目次
イシダイの特徴
今回の魚はイシダイ。
毎年この季節になると市場へ入荷が増え、単価も最も下がる時期となります。
そして産地はお馴染みの小田原産。
都内へは早ければ当日、市場なので水揚げの翌日に届いたものになります。
小田原のイシダイは数年前、水産業に入ってすぐの頃から自分の中で評価している産地で、仕立ても良ければものも素晴らしく、それでいて水揚げ量のある時期で高くないため頑張れば手が出せる。という条件から、毎年梅雨の風物詩として捉えています。
活〆の水氷仕立てでやって来て、血抜きもされているため見た目以上に状態が良いです。
まだまだ縞模様のハッキリした若い個体。
小さくても身はガッチリ硬いのがイシダイだ。
↑蓄養をしているとの話も聞くため、尾鰭は齧られたかやや欠損している。本個体も蓄養のものかと思われる。
イシダイは表面にヌメりがあり、頑固な細かい鱗がついているのですき引きで落とすのもオススメ。
翌日もまた市場へ行く用事があり、早起きが待っているので今回は通常通り卸し、皮を引きました。
皮を引くと脂の層がキラリ光ります。
血合いは鮮やかで新鮮さを感じますが、適正な処置をしてあげれば色味は数日保つ、長持ちする魚です。
イシダイの料理
イシダイのカルパッチョ
購入当日、身はまだ硬いものをできるだけ薄く切りつけてカルパッチョにしました。
半透明色の白身とピンク色の血合いがバラを思わせます。
ベビーリーフにレモンドレッシングをかけて、ブラックペッパーを散らします。
簡単な調理ですが、イシダイのまったりした旨味を引き締め、脂の甘味を楽しめます。
余談ですが、過去に購入した小田原のイシダイの脂がキツすぎて生食をギブアップして火入れした事があります。
それほどに梅雨の小田原のイシダイは身に脂を持っており、美味しさは人それぞれですが、私としては如何にサッパリしたものと合わせて美味しくいただくか。が、イシダイにまつわる課題です。
イシダイのにぎり
イシダイと言えば刺身や寿司など、個人的にできるだけ生で食べたいと思える魚です。
今回も握りは欠かさず。
岩塩を振り、ゆず皮で香り付けしました。
イシダイにはハッキリした食感があり、シャリとの相性は抜群とは言えないものの、魚の甘さと米の甘さ、互いが互いに協調し合い、旨味の一体感が感じられるものとなります。
そこへ柑橘の香りが当たることで、今回の寿司という料理が完成します。
味の例えを言葉にするのは(今さらながら)苦手なので、伝わってくれればと思いながら書きますが、車のエンジンの回転数が味の濃さだとして、イシダイはフルスロットルでグングン回転数を上げていくのに対して、柚子皮の風味がそれを抑えながら舌に負荷がかからない印象です。
イシダイとシャリの相性は素晴らしく、ただ少し重たいかなとも思えるので、柑橘の果汁や塩、炙りにするのもまた手法として選ぶべきでしょう。
イシダイのムニエル
カルパッチョや握りで3/4使い切り、残ったひと柵を皮付きでムニエルにしました。
購入してから3日が経ち、脂が次第に回り始めた頃になります。
あまり脂っこいものを美味しいと思えなくなってきた私は本能的に火を通して食べたいと感じました。
この時期は引越し作業中でもあったため、なるべく調味料を使いきれる調理を、と考えた結果がムニエルでした。
皮付きでソテーすると風味があり美味くなる。
ソースがなく味気ないのですが、このままでもイシダイの持つ味の濃さで十分に楽しめます。
叶うのは来年の梅雨になりそうですが、次回は焼きメインで堪能してみるのも良さそうだな、と思いました。
イシダイの評価
価格 ・☆☆☆☆
コスパ ・☆☆☆☆
珍しさ ・・・☆☆
味わい ☆☆☆☆☆
価格
・通年を通して高値安定。年間で見れば晩春〜初夏頃にかけてはやや安く買い求めやすくなる。
コスパ
・体高かあり、歩留まりは悪くない。
珍しさ
・高価だが一般的。特に梅雨の時期になると市場で見ない日はないほど。
味
・非常に美味。身そのものに旨味があるが、味のある脂が多いためイシダイという素材の中で良さを消し合ってしまっている気がする。脂は程々が個人的な好み。
今回は旬のイシダイを調理しました。
例年欠かさずこの時期に食べているものの、生食がメインとなりあまり加熱調理を幅広く試していないと気づきました。
来年はより多彩な料理に挑戦してみたいと考えている魚です。
梅雨が待ち遠しい!
副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記
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